「翔平ちゃん…」
綺麗なままの横顔。
きっときっと、翔平ちゃんは起きてくれる。
その時、わたしが元気でいなくちゃ。
また心配かける。
早く元気になるからね。
……早く元気になるから。
「早く、起きてね」
翔平ちゃんの手を強く握って、静かに病室を出た。
ずっと傍にいたいけど。
長居しちゃ悪いからね。
「ありがとうございました」
「もういいのかい?」
そういうお医者さんにわたしは頭を下げて、病室に戻った。
泣きそうになるけど。
翔平ちゃんも頑張ってるんだから。
泣かない。
それから3日経ったけど、翔平ちゃんはまだ目を覚まさなかった。


