太陽の笑顔、月の涙

「............そういうことなんだ、だから、緋織のことは分からないんだ。」



はじめて誰かにこのことを話した


一度出てしまった言葉はどんどんと物語を紡ぎ、そして俺の瘡蓋をチクチクと刺激する


誰もがどんな言葉を発するべきか分からず、屋上は冷えた空気が漂っていた







「へぇ、君はそういうことだった訳ねぇ。」


冷えた空気を変えたのは、俺?じゃない


由紀でも、来夢でも、慎平でもない


声のした方向を見ても、あれ、誰もいない?


「上見てよ。」


声の主の言う通り上を見上げれば、屋上の出入り口の上のスペースに寝転ぶ 博樹の姿があった