俺はただ二人を見送るしかなかった
「緋織、愛しているよ。
お前の笑顔は一番だよ。」
その言葉が最期だった
絶望したよ。
もし自分が誘拐されたと電話があったら、父さん母さんは助けに来てくれるのかなって
人懐っこい伊織に対して、扱いにくい無愛想な俺
二人は平等に接するようにしてくれていたけど、
その態度は違っていた
食卓での会話もほとんど伊織の話ばかり
俺はお揃いが嫌なのに伊織のわがままで揃えられたパーカー
「緋織は伊織と顔はそっくりなのに」
この言葉にどれほど苦しんだか
父さん母さんのことは大好きだったけど、それだけは許せなかった



