次のページを開いてみると、今度は企業のページではなかった。


念に2度ほど、この街のことを書いた雑誌を刊行している個人サイトだったのだ。


雑誌の刊行と言っても自費出版だから、どこにでも置いてあるワケじゃない。


雑誌の表紙が大きく宣伝されていたけれど、見たことのないものだった。


「【雑誌フレンド】だって。知らないね?」


杏美が言うと、全員が頷く。


書店にはよく行くけれど見たことがないから、置いてある店舗も随分と限られているのかもしれない。


それか、ネット販売のみか……。


そう考えながら画面がスクロールされるのを見ていると、随分昔から刊行されているのがわかった。


創刊号は50年も昔まで遡っている。