ポルターガイスト~封じられた扉~

色々と話をしながら歩いていると、すぐに図書館が見えて来た。


今日は休日だから、館内には親子連れの姿が多く見られた。


小さな子供たちが、お気に入りの一冊を両親に読んでもらっていて、あちこちから優しい声が聞こえて来た。


「子守唄みたいで、眠くなっちゃう」


杏美の言葉にあたしは左右に首を振った。


「まだ寝ちゃダメだよ。さっき戻って来たばっかりなんだから」


優しい声に包まれながら、前回同様に1つのパソコンを使わせてもらうことになった。


今回は桜高校についてではなく、宝来家について調べることになった。


パソコンの利用時間は2時間。


「やっぱり、当時は随分と資産家だったみたいだな」


出て来たページを確認して広貴が言う。


画面上には宝来家が関わったとされる企業名がズラリと並んでいる。


すでに倒産してしまっている企業もいくつかあるが、今も全国的に有名な企業も複数名を連ねている。


宝来家は金銭面などで企業のサポートの役割をはたしていたみたいだ。