「花はあたしが持って帰るよ」


あたしはそう言って百合へ向かって手を伸ばした。


その時だった。


急に地面がグラリと揺れた。


地震!?


咄嗟にそう感じたが、どうやら揺れているのは地面ではなくあたし自身だったみたいだ。


体が重たくて、あらがえないほどの眠気が襲ってくる。


歩道に膝をついてしまった時、他の5人も同様に倒れ込んでいくのが見えた。


また、引きずられる……!


抵抗しようと必死に瞼をこじ開けるが、それも空しくあたしは深い眠りの中に引きずりこまれてしまったのだった。