「他の寺院に問い合わせて聞いてみますか?」 「できるんですか?」 住職さんの言葉に紀人が飛びついた。 藁にもすがる気持ちなのだろう。 「少しお待ちください」 そう言い、住職は奥へ引っ込んで行ったのだった。