「でも、ここまでわかったならもう大丈夫だな」


広貴がスッキリとした表情で立ち上がった。


「え?」


「ここを確認してみてくれ」


パソコン画面を指さされて、あたしは視線を向けた。


そこには、この街で感染症が原因で亡くなった人たちは、同じ寺で供養されたと記載されていたのだ。


あまりに人数が多かったから、遺骨もその寺で管理されているらしい。


「亜香里ちゃんは今ここにいるってことだよね? それなら、手を合わせに行くこともできる!」


一筋の希望が見えてきて、あたしはほほ笑んだ。


もしかしたら、亜香里ちゃんは死後誰にもお参りをしてもらえず、それで出てきているのかもしれない。


それなら、あたしたちでもできることだった。


「じゃあ、さっそく行ってみよう」


こうして、あたしたちはお寺へ向かうことになったのだった。