ポルターガイスト~封じられた扉~

あたしは気を取り直し大きく息を吸い込んだ。


埃っぽい空気が肺一杯に入り込んでくる。


むせてしまいそうになりながら、あたしはベッドの足元の方へと移動した。


ベッドの上には亜香里ちゃんが座っているけれど、こちらに感心は示さない。


全員がベッドの横へと移動してきたとき、タイミングを見計らったように棚がフワリと宙に浮いた。


棚はそのまま天井付近まで一気に浮き上がると、勢いを付けて落下した。


ドシンッ! と、まるで石臼が2階から落下したような音が響き、床が大きく揺れる。


棚の中の本は落下して、足の踏み場は一瞬にしてなくなった。


「いってぇ……」


苦痛に呻く声が聞こえてきて、あたしはそちらへ振り向いた。


見てみると紀人が自分の腕を押さえている。


「紀人、どうしたの?」


「教科書にぶつかった」


「大丈夫!?」


愛奈が心配そうに紀人を覗き込んでいる。


いつまでのこんな場所にいたら、いつかあたしたちは死んでしまうだろう。