ポルターガイスト~封じられた扉~

「怖いよ……」


杏美があたしの腕を痛いほどに掴む。


怖いのは全員同じだ。


あたしの心臓は緊張と恐怖から、今にも張り裂けてしまいそうだった。


「なんだよ……なにか言いたいことがあるなら言えよ!」


恐怖に耐えかねたのか、元浩がそう叫んだ。


「やめて元浩!」


すぐに杏美が元浩を止める、


亜香里ちゃんを刺激するような発言はよくない。


昨日のポルターガイストを思い出し、あたしはできるだけ亜香里ちゃんから離れた。


亜香里ちゃんは相変わらず目の空洞から黒い水を流している。


最初は死者の涙かと思った。


だけど、それはどぶ臭いような、水の腐った臭いがしていた。


一体なに!?


早くあたしたちを解放して!


杏美と手を握り合った、その時だった。