ポルターガイスト~封じられた扉~

そう呟いて、チラリとベッドへ視線を向ける。


亜香里ちゃんはまだ寝息を立てていて、目覚める様子はない。


それを確認してあたしはホッと息を吐きだした。


ここで起きだしてまたポルターガイストを起こされたら、探し物所じゃなくなってしまう。


広貴が早くヒントを見つけようと、ページを飛ばして読み進めた。


【おとうとが2才になって、あたしは小学1年生になりました。


がっこうでべんきょうするのがたのしいです】


小学校へ入学してから、亜香里ちゃんの文字は急成長している。


できるだけノートの線からはみ出さないように気をつけているのがわかった。


【おとうとといっしょに、いえのまわりをさんぽするのがだいすきです】


【いつかおとうとに、さんすうをおしえてあげたいな】


この日記を見る限り、亜香里ちゃんの優しさがにじみ出ているようだった。


しかし……。


【弟が3才になって、あたしは小学2年生になりました】


この頃から急に漢字が増え始めている。


学校で勉強したことが、ちゃんと身についているみたいだ。