ポルターガイスト~封じられた扉~

「普通の本と同じように並んでたんだ」


そう言いながら次のページを開く。


一番最初のページはひどくたどたどしい文字で、【きょうから、にっきをかきます】という報告だけが記入されていた。


文字が覚えたての頃だったのか、さっきのノートの文字より大きく、右へ左へと踊っている。


「日付が書かれてないね」


日記開始の日が幼過ぎたのか、亜香里ちゃんは日付の記入を忘れていた。


そして次のページ。


【きょう、おとうとがいえにきました!


とってもちいさくてやわらかい、おとこのこです!】


相変わらずひらがなばかりだけれど、しっかりとした文章になっている。


しかし、やっぱり日付は忘れられていた。


「写真に写ってた男の子のことだろうな」


「そうだね」


ネットで見つけた写真には、4人家族が写っていた。