ポルターガイスト~封じられた扉~

「あたしも手伝う」


愛奈が隣でそう言い、花瓶の破片を集め始めた。


広貴が横向きになったテーブルを中央へ戻し、元浩が吹っ飛んだ枕をベッドの上へと移動する。


なんとなく、そうするのがいいような気がしたから、そうしているだけだ。


こんなことをしたってなんの意味もないかもしれないけれど……。


あたしは花瓶の破片をすべて拾い終えて、それをテーブルの上に置いた。


細かな破片は取り切れなかったけれど、肉眼で見えているものはこれでないはずだ。


最後に、枯れた花をテーブルに置く。


部屋の中は一応見られるような形になった。


「あそこに眠っている子が、昼間見た写真の子だとしたら……」


紀人がなにか考えるように難しい顔で呟いた。


みんなの視線が紀人へ集まる。


「あの子はもう死んでるのかもしれないな」


その言葉に、背中がゾクリと寒くなった。


この部屋の様子や、少女の様子を見るとその考えが一番有力だった。


そこに眠っている少女はすでに死んでいる。


それなのに、まだここにいるのだ。