ポルターガイスト~封じられた扉~

☆☆☆

それからあたしたちは床や天井も調べてみたけれど、出口らしきものはどこにもなかった。


これだけボロボロの部屋なのに、壊そうとするとびくともしない。


あたしたち6人は疲れ果てて床に座り込んでいた。


「どうやったらここから出られるの……」


さっきから泣いていた杏美が呟く。


「……もう1度、眠ってみるとか?」


あたしは思いつきでそう言った。


昼間と同じで、眠って目が覚めた時には外にいるかもしれない。


「眠るって、こんな状況じゃ無理だよ」


杏美は涙を手の甲で拭って答えた。


「そうだよね……」


確かに難しいと思う。


じゃあどうして、昼間はあれほどの眠気が襲って来たんだろう?


考えてみても、全然わからなかった。


あたしは小さく息を吐きだして床に散らばっている花瓶の破片を拾い集めはじめた。


このままにしていたら、誰かが怪我をしてしまうかもしれない。