それを火切りにし、あたしたちは同時にドアへとかけよった。


悲鳴をあげドアをこじあげようともがく。


「開けて‼ 誰か開けて‼」


杏美がボロボロと涙をこぼして叫ぶ。


しかし、外に人の気配は感じられない。


少女の悲鳴はまだ続いていて、鼓膜が破けてしまいそうだ。


あたしは思わずその場にしゃがみ込んで両耳を塞いだ。


これは夢だ。


悪い夢だ。


今すぐに目覚めて!!


しかし、悪夢は冷めない。


少女の悲鳴が続く中、なにがか部屋の中を飛ぶのを見た。


ハッとして顔を上げとそれがマクラだと気が付いた。


マクラはまるで生き物のように自由自在に空中を飛び、勢いよく壁に当たって落下した。


それだけじゃない。


テーブルの上にあった花瓶はガタガタと震えだし、そのまま床に落下して音を立てて割れてしまった。