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学校設立の資料は想像よりも膨大なものだった。


分厚いファイル3冊分だ。


ただ学校を建てるだけだと思ったら大間違い。


どうしてこの場所に決めたのか、どれだけの人が手を貸してくれたのか。


その間にどんな時代背景があったかなど、事細かに記されている。


あたしたちはファイルから必要なページだけを抜き取り、手分けをして確認することになった。


授業中の図書室の中は時計の針の音しか聞こえてこなくて、まるで別世界にいるみたいだ。


どんどん資料を読み進めて行くうちに、感染症の記事にぶち当たった。


この街では確かに感染症が流行し、沢山の子供たちが亡くなったことが書かれていた。


亜香里ちゃんが眠っているお墓を探して行った、あのお寺のことも書かれている。