「でも、学校にいたら授業が……」


愛奈が困ったように呟く。


確かに、授業中に別の調べものをしていたら怒られてしまうだろう。


「他の先生方には私からうまく言っておくから、あなたたちは自分のことを優先させなさい」


「いいんですか?」


あたしは思わず聞き返した。


「えぇ。当時私はなにもできなかった。その結果、あなたたちが巻き込まれているのかもしれないものね」


もしも先生がたった1人で亜香里ちゃんの部屋に入っていたら?


考えただけで背筋が寒くなった。


あたしなら、一日だって耐えられなかっただろう。


「俺たちは6人もいるんから大丈夫です。なにかあったら、先生にもちゃんと伝えますから」


広貴はそう言い、あたしたち6人は安心して学校の図書室へ向かうことになったのだった。