介護士たちに桜さんの部屋から追い出されたあたしたちは、呆然としたまま学校までの道のりを歩いていた。


誰もなにも言わなかった。


先生でさえ、ずっと深刻な表情を浮かべている。


学校が見えて来たところで、広貴が立ち止まった。


「もう少し、学校設立の時期のことを調べてみようか」


「そうだね」


あたしは力なく頷く。


正直、今日はもう疲れてしまっていたのだけれど、あたしたちは眠ってしまうと亜香里ちゃんの部屋に飛ばされてしまうのだ。


こうして起きている間に少しでも情報を集めておく必要がある。


「それなら、学校の図書館に資料があるわよ」


先生が振り向いて教えてくれた。