大きな音が部屋に響き渡っていた。


シーツの下に隠れていた、皮膚がひび割れた顔が現れる。


目がらボロボロと黒い水をこぼしながら、あたしを見ている。


「ヒッ……!」


もう、悲鳴も出なかった。


恐怖で呼吸すら止まってしまう。


誰かが泣き始めた声がするけれど、確認することもできなかった。


ぬっ……と顔を出した亜香里ちゃんはポッカリと口を開けていた。


歯も舌も見えず、そこにも黒い空洞が広がっている。


「アタシヲ、愛シテェェェ!!」


叫んだ口から無数のウジ虫と黒い水があふれ出す。


あたしはそのまま、意識を失ってしまったのだった。