ポルターガイスト~封じられた扉~

「そうだけど、洋司君が殺された後亜香里ちゃんにとりついていたとしたら?」


あたしの言葉に5人が目を見開いたのがわかった。


「洋司君に取りつかれたまま、亜香里ちゃんは死んだのかも!」


「だとしたら、あの体の中には洋司君が入ってるってことか」


紀人が呟いた。


そうかもしれない。


亜香里ちゃんが死んだ後も、2人ともずっとここから出られずにいるのかもしれない。


奇声を上げ続けている亜香里ちゃんはなんの反応も示さない。


「ねぇ、あなたは洋司君なの!?」


あたしは悲鳴に負けない大声でそう聞いた。


返事があるとは思えなかったけれど、なにかしていないとこの場を打開できない。


「お願い! あたしの言葉を聞いて!」


あたしは自分の両耳から手を離して叫んだ。


「あなたは洋司君じゃないの!? 亜香里ちゃんにとりついたまま成仏できずにいるんじゃないの!?」