柔らかなものが体に当たったことで、あたしは目を覚ました。


その瞬間、つんざくような悲鳴が聞こえてきて耳を塞ぐ。


ここは亜香里ちゃんの部屋だった。


いつもと違うのは、すでに亜香里ちゃんが起きて悲鳴を上げていることだった。


部屋中の物が浮かび、壁に当たって落下していく。


「早く逃げるんだ!」


広貴の声を合図にして、あたしたちはベッド横へと非難した。


身を屈めて耳を塞ぎ、懸命にやりすごす他に方法がない。


「なんで今日は最初から目が覚めてるの!?」


杏美が叫ぶように言う。


そんなのあたしにだってわからない。


でももしかしたら、あたしたちが一気に真相に近づいてしまったからかもしれない。