「できれば、学校新聞にも書かないでもらいたい」


「もちろんです」


広貴は頷く。


すると、しばらく悩んでいた岩谷さんが決心したように口を開いた。


「弟の洋司君は、亜香里ちゃんに井戸に突き落とされて無くなったんだよ」


その言葉を聞いた瞬間、あの眠気が襲って来た。


急に体が重たくなって重力に逆らえなくなる。


広貴が地面に手をついて必死に眠気をこらえているのが見えた。


岩谷さんは驚いたようにあたしたちを見て、声をかけてくる。


けれど、もう返事はできなかった。


あたしたち6人はその場に倒れ込むようにして、眠りについたのだった。