”冬”誰もが好む

この季節…。

理由は大イベントが

あるから…。

その名も「クリスマス」

あたしには何が

いいのか解らない

毎年来る度にそう思う。

「莉奈ー早く帰ろうよーもうこんなに暗いしー」

莉奈…私の名前。

余りこの名前は好まない

だってあたしに

合ってないから…。

きっと誰も居ない

廊下に声を響かせて

あたしを呼んでいるのは

咲希だろう…。

教室に入ればいいのに。

「あと少しだからー」

咲希にそういうと

勢いよく扉を開け

入って来る。


「だいたいさぁ、いつまでも黒板掃除してたって意味ないじゃん…!誰も気付かないよー」

その声は二人しか

いない静かな教室に

すごく響く…。

「咲希が気付いてくれてるじゃん」

そう言うと咲希は

何かを言いたそうに

黙っている。