私は何も動けなくて情けない。
自分が待っていればいいとか、自分が我慢すればいいとか、そうじゃなくてあの人は…
『無駄なことはありません』
あんなにはっきり言い切れて…すごい人だなぁ
思い返していれば、ふと号泣していた彼の顔も思い出してそのギャップに、ふ、とまた笑ってしまう。
(……変なひとだ、)
私に言われたくないと思うけど…。
―初めて好きな本のことを共感してくれた同い年の子。
置きっぱなしの紙袋に入った本を大切に持ち上げ、優しくホコリを払う。
誰も居なくなった図書室の鍵を閉めて、しばらくどうしよう、と本がおいてあった階段のそばで彼を待った。
かしてもらったけど、勝手に本を持っていくのはどうかと思うし…まだ図書室で返却手続きはして無いから
うーん、
迷いに迷った私は一歩、また一歩と歩き始めた。
彼を探して。



