「図書室から出てきましたよね」
「僕、注意してきます」
そのまま女の子たちの方へズカズカ歩いていってしまうから、とっさに前に入って両手を広げた。
「ダメだよっ」
「…なぜですか?」
「なぜって…」
「図書室は皆が楽しめる場所なんです。だから、これからは正しくつかってもらえるように注意を_」
「…言っても!」
「……?」
「もっとひどい言葉が返ってくるだけだよ!」
「あなたが傷ついてしまう…」
悲しい顔…みたくないの…
「?…無駄なことはありません」
「え…」
思っていたのとは全く違う言葉に意図が分からず目を見開く。
「分かってもらえなかったとしても、きっと何かは届くはずです」
真っ直ぐな瞳が私をしっかりと捉えて、
「それでいいんだと、僕は思います」
ぼうっと立ち尽くしているうちに彼は足早に女の子たちのところへ行ってしまった。
知らない…言葉、
それは私が知らない前向きで真っ直ぐな言葉だった。



