このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~


ーーガチャ。


(!)


数分後。ふいに、扉の開く音がした。

視線の先にいたのは、上半身裸でタオルをかけた律さんの姿。あまりにも刺激的な光景に、思わず目を逸らす。

そんな私の様子に気づき、くすくすと笑った彼は、ドサ、と私の隣に腰を下ろした。


「…照れてるのか?」

「っと、当然ですよ…っ!め、目のやり場が…」

「ふっ。…逸らさないでいい。すぐに慣れる。」


ダブルベッドのスプリングがギシリ、と跳ね、律さんは流れるように私を組み敷いた。

言葉もなく重なる唇。角度を変えて落とされるキスは私の理性を溶かし、彼のことしか考えられなくなってきた。


「…さすがに、もう待てないが…。いいか?」

「…!」


こくり、と頷く。

初めは私の反応を探っていたような彼の手つきだが、だんだんと容赦がなくなる。繊細で滑らかな彼の指が、私の肌を撫でた。

繰り返される口付けの合間にこぼれる吐息が熱くなる。深くなるにつれて、彼は貪るように唇を優しく噛んで舌を絡めた。

いつもクールで仕事ができて、女性のエスコートにも慣れている大人な彼の余裕を奪っているのが私だと思うと、どうしようもなく嬉しくなる。

彼は、時折私の名を呼んだ。切なく愛しげな声に、頭が真っ白になる。

ーーやがて私は、容赦ない愛撫と甘い快楽の波に溺れ、夜が明けるまでお互いの熱を分かちあったのだった。