痛い・・・そう思っていると今度はガバっと体を離され


「改めまして!大阪から引っ越ししてきた、西田 美月です!美月って呼んでな!椿が壇上で急に話の方向性変えた時に、絶対に友達なりたい思っててん!」


とニコニコ笑う。


思わず、私も声を出して笑ってしまった。


「ちょ~椿笑ったらめっちゃ可愛いやん!ず~と緊張した顔してたやろ?ガッチガッチやったで?」と可笑しそうにケラケラと笑う彼女も十分可愛らしい顔をしていた。


今までに出会った事の無いタイプの子だと思った。自分でも何故あの時彼女の手を取ったのか分からなかった。


そんな事を思っていると、教室のドアがガラっと空き、担任になるらしき人物が入って来て


「はーい!席につけ~!ホームルーム始めるぞ~!」


先生の声で皆が席に戻る。



彼女は私の後ろの席だった。


後でまた話そうと約束をして、ホームルームが始まった。



簡単な各自の自己紹介と明日からの流れを説明されてホームルームは終わった。


先生が出ていくと同時に美月が話しかけてくる。


「先生の話ほんま長いわ~。なぁ!椿は家から学校通ってるん?」


私が通う中高一貫校は、他府県から来る子も多いので寮も完備されている。
3分の1は寮生活をしている生徒達だ。




「うん。家から通ってるよ。美月・・ちゃんは?」


そう聞くと


「美月でいいで!私は寮やねん!親の都合で大阪から来たんやけど、うち片親やからさ!帰って来るん、遅いし夜勤とかもあるから、家で一人でおらせるん心配や言われて寮生活になってん」



と一気に自分の情報を教えてくれた。