私は直ぐに取れた紐を結び直し、石田さんに声をかける。
「石田さん大丈夫?」
「ごめん。私がバランス崩しちゃったから。ごめんね。」まさか謝罪してくれるとは思っていなかったからビックリしていると
「大丈夫だから、とりあえず最後まで走ろう!」と石田さんの腕を取り立ち上がる。
石田さんも頷き、私の肩を組むともう1度一歩踏み出した。
『転倒した2人が立ち上がりました!怪我の方も気になるところですが、最後まで頑張って貰いましょう!』アナウンスが私達を後押しをしてくれた。
イチニイチニと声を揃え、何とかゴール地点まで辿り着く事が出来、ゴールと同時に周りから拍手を受ける。
ハァハァと息が上がっていたけど不思議と気持ちが良かった。
「石田さん!ありがとう!」自然と口にしていた。
「こっちこそ!」と笑顔の石田さんがいた。初めて石田さんの笑顔を見た気がする。
「石田さん!西園さん!大丈夫?」腕に救護係と腕章を付けた生徒が近付いて来る。
走っている時は夢中になっていたのか気付いていなかったけど、石田さんも私も膝から血が出ている。
2人で顔を見合わせ笑った。
