屋敷の中も凄く広くて驚いた。


本当に絵本の中に出てきそうな雰囲気だった。


『本庄、2人を俺の部屋に呼べ』


そう本庄さんに告げると、スタスタと長い廊下を進んで行く。


どうしたら良いか分からない私はその場で立ちすくむ。


そんな私を見て


『来い。息子を紹介する。』


私の兄弟になる2人と会えるんだ。


どんな人達なんだろう?


緊張しながら、真也さんに着いて行った。


連れられた部屋もこれまた大きく、私が居た施設の食堂くらいはあるんじゃないか?と思った。


真也さんは、真ん中にあるソファーに座り


『隣に座れ。椿。』


そう言われた、真也さんの隣にちょこんと座った。


『何か飲むか?』


と言われたけど、緊張していて何も通りそうに無かったから、首を横に振った。


すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。


『はい』


と短く真也さんが答える。
 

『社長、お二人をお連れしました。』


本庄さんの声がした。


バクバクと心臓が鳴っているのが分かる。   


『入れ。』


ドアが開かれた…。