暫くすると、スースーと寝息が聞こえた。


寝たんだ。


いつもの陽介は、明るくて皆のリーダー的存在だからこうして、甘えてくる陽介を見れたのは、自分だけの特別感を感じた。


2人だけの秘密の時間が持てた事に頬が緩む。


フと肌寒さを感じた。


少しベランダの扉が開いてる隙間から夜風が入ってきてるんだと思い、寝ている陽介の手を離し、閉めに行った。


何気に下を見ると、闇の中でポツンと立ちこちらを見ている目と目が合った。


心臓がドキッとするのが分かった。


颯介だ…


颯介は目を逸らす事なくこちらを見上げている。


私は目を逸らし、ベランダの扉を閉めた。


今日はダメだ。
今日は颯介の隣には行きたくない。
今日だけはこの、暖かい気持ちのままいたい。


そう思い、再び陽介の元に行き傍に座る。


陽介は一定の寝息を立てながら深い眠りに落ちてる様だった。


今はこの愛おしいと思った人の傍にいたい。


そう思っていたのに…-------。












「颯介!」


私は自分の心をどうしようもないくらいかき乱す人のところに来ていた。