「あとは毎日千紗と一緒に入れたらいいのに」
「……同棲の話?」

「ああ。
そのために金、貯めてるから」

「やめてよ、働いた分のお金は自分のために作ってほしい」

「俺が千紗と一緒に暮らしてぇんだよ」


揺らがない瞳。
嘘をついているわけではない。

つまり本気なのだ。


「その件は…まだ、保留で」

「わかってる。もっと俺のこと好きになってもらえばいい話だから」

「どうしてこう、無理矢理かなぁ…」


ゆっくりという言葉を知らないのか。
これからも平気で迫ってきそうで怖い。


「千紗が危なっかしいから」
「そんなことはないかと…」

「疎いしバカだし、色々心配なんだよ」
「それはひどいのでは…!?」


好きな人に対して言うことか。
疎いしバカって、見下しているのにも程がある。