『…やっばいね、』



鬼と人間の体力は程遠く、追い付かれる寸前まで来てしまう。



麗子「隠れられる場所っ…こっち!」



『ダメ!!行き止まりになる!!』



そう言うものの、雅の手を引いて軽く錯乱しかけているママは行き止まりの方へ行ってしまう。



ダメだ…このまま行かせたら思うツボ…みんな死んでしまう…!!



『っ…おーいクソ鬼!!お前に屈辱負わせた小僧は此方だ!!』



わざと鬼に手を振って挑発し…二人と逆方向に、走る。



麗子「楓!?」



「まずは小僧…お前を喰ってからお前の家族も喰ってやる!」



そうすれば、思った通りについてきてくれる。



これで少し時間稼ぎになれば…僕は死ぬ気はない…必ず生きて会うから…!!



そう思っていたのに、何故かママがこっちに走ってきてしまう。



『何で!?!?』



麗子「楓を見殺しにするわけないでしょ!?」



…何で、どうして今更。



もう良いじゃんか、放っておいてくれても良いじゃないか。



そもそも死ぬ気はないし…何を勘違いしてくれているのか。



僕はもう…死ぬ気なんて…



「追い詰めたぞ!!」



そう言う鬼の言葉で気付く。



…あまりに動揺しすぎて、気が動転して、行き止まりに自ら行ってしまった。



雅「楓!!」



悲惨な叫び声が聞こえてくる。



…ああ、何で二人とも来ちゃうの…せめて二人はどうにか…助けたいのに…。



「…ひひひ、お前の前で喰ってやるのも良いかもなぁ。」



『…あ゙?』



「お前の家族をな!!」



そう言って二人に襲い掛かっていく。



…鬼殺隊、お前ら何のために存在すんだよ…なあ…!!



なんで…こういう時に…王道みたいに…助けに来ないんだよ…!!



『っ、』



思い切り、石をぶつける。



「てめぇ!!」



そう言って当てられた所を抑えるそいつを他所に、僕は二人の前へ立つ。



…一本の、木の枝を持って。



『…なーにが、お前の前で喰ってやるだよ…出来るもんならやってみろや。』



そう言いながら、木の枝を奴に突き付ける。



『お前の相手は…僕がする!!僕を殺してからこの二人に手を出せ!!』



雅「…楓…」



…守るよ、僕の…大切な家族は…僕が、命を懸けてでも。