あの事故から一年    ー

俺は後遺症もなく、調律学校に
かよっている。






優はあの日から
人前でピアノが弾けなくなった。
人前で弾くと事故で負った傷に
激痛が走るらしい。
もちろん俺の前でも同じだ。














今日は、両親の命日。
そして優のピアノコンクールだ。








優「おにぃ、私…












  私……できないよ!」









そう泣きながら訴える優を見ると
俺も思い出す。あの日のことを。







湊「優…
  じゃあ、来年。来年は、
  母さんたちに届かせよう、







    …優のピアノを。まだいたむのか?」




優「お母さん、お父さん…。








    …おにぃ、まだ痛むんよ。」











なぁ母さん…。
俺はどうやったら優を救ってやろれるんだ。


母さんならどうしたんだ…。