高校ニ年の時、初めて彼氏ができた。

誰よりも優しくて。誰よりも真面目で。そんな彼氏の陸くんが誰よりも大好きだった。

だけど、陸くんは親友のサナと浮気していた。

一緒に行きたいと思っていたスイーツ屋さんに、親友のサナと陸くんが手を繋いで並んでいるところを見てしまった。

目の前が真っ暗で、気づいたらその場から逃げ出していた。

蹲って泣くことしかできない私の前に、たまたま前の席の堀内くんが通りかかった。

「お前、こんな所で何してんの? 何で泣いてんの? ってか、一人?」

話しかけてくる堀内くんに嫌気が差して、早く何処かへ行ってほしかった。けれど、堀内くんはサナと陸くんがデキていることを知っていた。