「私はこのお店で働いております、宮野栞です。よろしくお願いします」

ペコリと私が頭を下げると、女の子は「よろしくお願いします!」と元気よく笑いました。しかし、男の子の方は怒ったような表情のままです。

「……ったく、何で俺と沙月があのクソのために働かないといけないんだ……」

「葉月!しょうがないでしょ?スーさんがあの世で無銭飲食しちゃったけど、神様だし……」

「神だからって何でも許されるのか!?何でアイツが働かなくて、俺たちが働かないといけないんだ!!あのクソ神め!!今回こそ、追い出した方が絶対にいい!!」

「葉月……」

男の子は怒りながらそう言い、女の子は男の子を見つめます。しかし、私は何の話かわかりません。

「えっと……」

私が首を傾げていると、女の子が「あ、すみません!」と謝り、自己紹介をしました。

「私は、神条沙月(しんじょうさつき)と言います。十八歳で巫女をしています。こっちは宮野葉月(みやのはづき)。私と同じ十八歳で、大学生です」