エリート御曹司と愛され束縛同居

「いえ、あの、迷惑というかその、私には務まらないというか……所作とかも優雅ではないですし……華道や茶道の経験もないので……」

言い訳めいたものを口にすると目を細め、なにかを企むようにニッと口角を上げる。

「恋人にそんなものを求めるわけないだろ。そもそも気にするところはそこなのか?」

「気にします、副社長の恋人役ですよ?」

当の本人が中身はともかく、外見は完璧な王子様なのだ。どれだけ完璧さを求められるのか気が気じゃない。

言い返すと、相変わらずクックッと楽しそうに声を漏らす。

「いや、お前はそのままでいいよ。気に入った」

その言い方になぜか胸が高鳴った。胸の奥が熱くなる。


一体どうしたんだろう。


なにより気に入られる要素がまったくわからない。

困惑する私をよそになぜか楽しそうに相好を崩している。

「……念のために伺いますけど、命の危険があるとかないですよね?」

変な嫉妬に巻き込まれるのはごめんだし、上手い話には裏があるのもよく聞く話だ。

身の危険が及ぶような依頼ならいくら事情があっても全力でお断りしたい。

「当たり前だろ。俺の周囲をなんだと思ってるんだ」

ムッと不愉快そうに言われる。

意外に感情豊かな様子になぜか心が揺れ動く。