エリート御曹司と愛され束縛同居

いやいや、無理でしょう……副社長のお眼鏡にかなう女性なんて、どう考えても完璧な大和撫子みたいな人だろうし私では皆、納得しないはずだ。

「……設定が強引すぎですし、そもそもそんな大役が務まるとは思えません」

「じゃあ、お前、今すぐ引っ越す?」

端的に言われてグッと返答に詰まる。

「卑怯です、それとこれとは話が別じゃないですか? 副社長ならわざわざ私なんかを恋人役にしなくても喜んで演じてくださる女性が大勢いらっしゃるでしょう」

若干の嫌味を込めて反論する。


そうよ、これだけの容姿だしモテないわけがない、女嫌いでもあるまいし。


「下心丸見えの女には興味がないし、取り繕ってばかりの女もうんざりなんだよ。恋人役にするなら諸々わかりやすい女がいい、お前みたいに」

褒められているとは到底思えない酷い言われように、二の句が継げない。そんな選ばれ方、全然嬉しくない。


そもそも、諸々ってなに? 一体私をううん、世の女性をなんだと思っているのだろう。


「……世の中、そんな女性ばかりではないと思いますが?」

刺々しく言い返すと、ハハッと声を上げて白い歯を見せた。

歯並びまでいいなんてどこまで完璧なのか。しかもなぜ機嫌がいいのかよくわからない。

「そんな風に言い返してくる女も珍しい。同居を願い出たくせに、条件を出したら思い切り迷惑だって空気を隠そうともしないなんてな」


……嘘、そんなにわかりやすかった? こらえてたつもりなのに。


慌てて頬に両手をあてる。一気に恥ずかしさがこみ上げてくる。