エリート御曹司と愛され束縛同居

『でもそれしか最適な方法はないんじゃない? 改築工事が終わるまで時間がもらえたら新たに独り暮らしをする物件も探せるし、資金も少しは貯めれるわよ。どうしようもなかったら実家に戻るっていう選択肢もあるんだから』

「けど、兄と圭太にはここでの同居とか反対されそうよね……」

弱々しく呟くとフフッと親友は声を漏らした。

亜由美も圭太も同じ中学、高校出身でお互いに仲の良い友人同士だ。

『多分ね。特に圭太は凪さんより過保護なところがあるから、ここは黙ってるしかないんじゃない? まだ今回の件は話していないんでしょ?』

「うん、電話したけど繋がらなかったの。でも、今頃もしかしたら副社長が圭太に連絡してるかもしれない」

『その時はその時ね。とにかく、ぐずぐずしていないで交渉してきなさいよ』

キビキビと指示されて電話を切った。

『後でしっかり報告してよ』と最後に言い添える亜由美は本当に頼もしい。


スマートフォンを書き物机の上に置いて、自室を出る。

向かう先はもちろん家主の部屋だ。

まだ十一時前なので眠ってはいないだろう。洗面所や浴室の電気も消えているのを部屋に向かう途中で確認したので入浴中でもなさそうだ。

部屋をノックすると室内から低い声が聞こえた。