エリート御曹司と愛され束縛同居

「ううん。隼人くんとの同棲を邪魔したくないもの」

『まだしないわよ』

素っ気なく返事されて苦笑する。さすがにふたりの幸せな未来の邪魔をするわけにはいかない。

『ねえ、この際、実家の改築が終わるまでその部屋に住ませてもらったら?』

「ええっ? 無理だよ。恋人でもないのに、不自然すぎる。社員と同居なんて周囲に反対されるでしょ」

そもそも本人に断固拒否されるに決まっている。

『そんなに不自然じゃないわよ。同居するケースが皆、恋人とは限らないじゃない。ルームシェアだとでも思えばいいのよ』

あっけらかんと言われて唖然とする。

確かにルームシェアで異性と住む人はいるが、状況が違いすぎる。そもそもここは副社長の部屋で、私は単なる迷惑な居候でしかない。

『それが一番の策だと思うわよ。副社長だって女性を家から追い出した、とか変な噂を立てられたら困るでしょ。なにもずっと一緒ってわけじゃなくて、実家の改築工事が終わるまでの期間限定同居よ。行き先が決まるまでいていいって言ってくれたんでしょ?』

「……でもそれはあくまでも一カ月かそこらの仮住まいって意味だと思う」

まさかそんなに長い時間住みつかれるとは思っていないはずだ。

少なくとも現時点で改築工事が終了して引っ越せる状況になるまで、半年近くはかかるだろう。