エリート御曹司と愛され束縛同居

「ただいま戻りました。副社長もお元気そうでなによりです」

「ここには俺たちしかいないし、堅苦しい話し方はいらないぞ」

「そうそう。副社長は佐久間くんが帰国して、大事な婚約者をとられないか、心配してるだけだから」

しれっと言い放つ津守さん。

さすが従姉弟なだけあって容赦ない。

「……そんなわけないだろ」

「その心配は不要ですって何回も言ってるじゃないですか。ねえ、圭太。約束してたお土産は?」

不穏な空気をあっさり霧散させ、幼馴染みが無邪気に問う。

「ああ、これだろ。お前がネットで見つけて、食べたがっていたキャラメルナッツクッキー」

手にしていた紙袋から小ぶりな箱を取り出して手渡すと、瞬時に嬉しそうな様子を見せる澪。

「そうそう! ありがとう、食べてみたかったの」

「俺もあっちで食ったが、美味かったぞ。今はハニーバター風味も出てる」

「そうなの? そっちも食べたいなあ」

「今度買ってきてやるよ」

「本当? ありがとう」

会話する俺たちのすぐ近くで、険しい表情を見せる先輩。

そして、津守さんはクスクスと笑い声を漏らしている。