エリート御曹司と愛され束縛同居

その時、ガチャッと玄関ドアが開く音がした。

思わず、身体がビクッと跳ねる。


ちょっと待って……まさか私、鍵をかけ忘れた?


帰宅した時は異動の件で気もそぞろだったけれど、施錠をした朧気な記憶はある。


でもだったらどうして? まさか空き巣? こんなにセキュリティがしっかりしているのに? 

最上階フロアにはここ以外の部屋はない。

ドクドクドクと恐怖で鼓動がうるさく鳴り響く。指先が冷たくなり、落ち着いて物事を考えられない。叫びださずにいるだけで精一杯だ。


どうしたらいい? 玄関に確認に行くべき?

それともスマートフォンで警察に連絡する? 

待って、スマートフォンはどこ?


完全にうろたえてしまい冷静な判断ができず、足が竦んで動けない。カタカタと震えだす身体を必死で抱きしめる。

頭の中では嫌になるくらいすべき行動を考えているのに身体はまったく言うことを聞いてくれない。


叫ばなきゃ、助けを呼ばなきゃ、なにより動かなきゃ! 


自分を叱咤するのに身体が思うように動かない。冷や汗が身体を伝う。


どうしよう、どうしよう……!


フローリングの床を歩く侵入者の音がどんどん近づいてくる。恐怖で膝を抱えて下を向き、ギュッと目を瞑る。


カチャリと軽快な音がして、リビングに続くドアが開く気配を感じる。

自分の鼓動が信じられないくらい大きく響く。