エリート御曹司と愛され束縛同居

受付業務のため、関わりのある会社や頻繁に来社される方の名前や顔を覚えるのは必須事項だ。

そういった情報はできるだけ頭に入れておかなければ、と常々思っている。


「わからなかったですよ。とんでもないイケメンがいると思って周囲に聞き込みをしたら副社長だったんです! もうこの辺りの女性全員が釘付けでした! あんなに完璧な外見の人っているんですね。顔は小さいし、足は信じられないくらいに長くて芸能人も驚きますよ」

「そ、そうなの?」

興奮冷めやらぬ状態でまくしたてる佳奈ちゃんは自他共に認めるかなりの面食いだ。

その後輩がこれほど褒めちぎるのは珍しい。きっととても整った面立ちをしているのだろう。

「あれだけカッコ良かったらすごくモテますよねえ、あんな恋人が欲しいです!」

「そこは副社長の恋人になりたい、とかではないの?」

思わず尋ねると、可愛らしく唇を尖らせる。

「いえ、そうは思いません。私、昼休みに副社長について検索して、秘書課の友人に聞き込んだんです。学生時代から女性にモテモテだった割には華々しい女性遍歴もないんですよ。あんなに王子様然とされているのに、どうやら副社長は女性にまったく興味がないのか、恋人も現在いらっしゃらないみたいです」


そのまま私の最寄り駅まで、いかに副社長がカッコ良かったかという観察情報を延々と聞き続けていた。

おかげで会ったこともない男性についてやたらと詳しくなってしまった。