楽しそうに笑顔で話してくれる


「朔も慧も杏が好きだろうけど、やっぱり杏と合うのは泉だよ」

「何を根拠に…」


杏を好きな奴は俺らだけどは限らないだろ?こう言う話の時、いつも杏の執事の志木ってやつの存在がチラつく

はぁ

「俺は、杏の家のことが解決しない限り、気持ちは伝えないよ」

「なんで?」

「……思いを伝えて、杏の重荷にしたくない」


そして響も気づいた。
そうか、杏は婚約者がいるんだ…と

優しい杏のことだ。きっとそう言う事を知ってしまうと、気にしてしまうに決まってる



「俺はそばにいてやれれば良い」

「えー……朔と慧にとられたらどうするの?」

「それはムカつくから、そうならないように邪魔するかな」


ついつい笑ってしまった
こんな子どもっぽい事したいわけでは無いけど、朔と慧が相手となれば、そこは全力で阻止する


「寂しい時に、頑張らなきゃいけないときに、1番に頭に浮かぶような、存在になりたい」


そう
俺の願いはそれだけだ


陽が傾いた帰り道を、他愛もない話をしながら、歩いた


-----