「たまーにすごく嫌な感じがする」

「長谷川が?」

「うん。鳥肌が立ったり、こんなふうに症状が出たり……。あの頃は何度も症状が出たけど、ここ最近全く大丈夫だったのに。急にあの女を見てるとこうなる」


そう、か
確かに、街中にいても、女と話すわけではないが、響は普通に歩けている
怯えるわけでもなく、普通に


それがまた、ただ教室にいるだけのクラスメイトに、そこまで反応するなんて

少しおかしいとは思うが


「たまにな?杏を冷たい目で見てる時がある」

「長谷川が?」

「うん…勘違いかもしれないけど」


そう言ってまた下を向いてしまった。
とりあえず薬を回収して、家を後にする

まぁ響がこう言うんだ


「わかったよ。俺も少し注意して見てみるから。しんどかったら我慢せず俺に言え。なんとかすっから」


「ごめんね?ありがとう」


本当に、響をこんな風にしたあの女は憎い。まだ許せねぇ

前を向く響に、こうっいった後遺症を残していく



「大丈夫。杏はお前を嫌いになんてならないよ」



そこは大丈夫
そう言い切れるから