「いつも、体張って私を守ってくれて本当にありがとう」
改めて、彼に感謝を伝える。
自分がこういう経験をしてわかったのだが、かなり痛い。
撃たれるのは、それはもう想像以上に痛かった。
それなのに、暁は私を守るために何発も銃弾を浴びて……。
「俺はいいって──」
私は彼の首に手をまわし、抱きついた。
自分のことは気にするな、とでもいうような言い方。
暁はいったいいつから自分のことを大切にしてくれるのか。
「暁は自分のこと大切にできないから、私が大切にするの。私は、暁が無事でよかったよ。
好きな人が無事で、すごく安心した。暁はもう充分すぎるほど傷ついたんだから、私にも守らせてほしい」
力を込めて抱きしめる。
強く、強く……。
抱きしめれば首元に顔を埋めるカタチとなる彼。
さらさらの黒髪が当たって、息がかかって……なんだかゾクゾクする。



