彼は造花をよく見せてくれたあと、近くのテーブルに置くと、「もう寝ろよ」と言ってくる。
急激に込み上げる寂しさ。
「……寝るまで手、つないでて?」
「あぁ」
袖から手を離して、そっと触れる手。
手に触れれば、彼は指を絡めて強くつないでくれる。
温かい手。
その温度に触れて、さらに欲が出てしまいそう。
「……起きたら1番に会いたい」
ぽつりとつぶやいて、じっと暁を見つめた私。
すると彼は顔を近づけ……。
唇をそっと重ねた。
「ここで待ってるから」
その声が聞こえてくると、安心して今度こそ本当におりる瞼。
また唇に熱が触れた気がしたが眠気には勝てず。
私は目を開けなかった。



