……寝かさない、なんて。
暁がいうと、つい変なほうに考えてしまう。
そういう意味なのかはわからないけど……。
そういう意味でも、今は……。
「寝かさないで」
少しでも長く暁と一緒にいたい私は、小さく返す。
早く動く心臓。
暁になんて言われるかと思えば、彼は無言。
そして数秒後、頭の上に乗せられた大きな手。
「……寝てろ」
「えっ」
まさかの言葉。
な、なんでそうなるのさ……。
暁から言ったくせに……。
私は抱きかかえられると、ベッドの上へと寝かされる。
布団もしっかりかけられて、ぽんぽん頭を撫でられた。



