「暁!美鈴ちゃんを早く車へ!」 聞こえてくる良典さんの声。 暁は私をすぐに抱きかかえると、車へと乗せた。 そして走り出す車。 私は止血してくれる暁に「死なないよ」「大丈夫」と何度も伝えたが「傷が開くから黙ってろ」と言われてしまい……。 彼の袖をつかみながら、『絶対に暁にはもうなにも失わせない』、その想いだけは強く心に残していた──。