「考える時間ももったいねぇから早く向かえよ」 彼がそう言えば、紫乃は軽く息をつき。 「……生意気ね。そんなに言うなら月城組に向かうわよ」 ぐっとアクセルを踏むと、またさらに早くなる車のスピード。 私はまた車にしっかりつかまって暁の体を支え、強く祈った。 ──……一条組と月城組の戦いが早く終わりますように。