月夜に笑った悪魔



「うるせぇだろうから耳塞いでろ」


暁は私たちにそう言うと、これからやることを理解。


……直接撃って壊すんだ。





私たちが耳を塞げば、大きな乾いた音が2発。

小型の機械に目を向ければ、確かに銃弾が刺さっていた。


「……これでへーきだろ」



それが終われば暁の体の力はまた抜けて。
持っていた拳銃は下へと落ち、私によりかかる。



「暁……!」
「美鈴……、ちょっと叩いて」


「え?」
「いや、ちょっとじゃなくてちゃんと動けるようになるようなすげぇのよこせ」



じっと暁は私を見てくる。


叩いて、って……。
……叩いたとしても、痛みでちゃんと動けるようになるとは限らないのに。



「…………」


私は暁の両頬をムニっと引っ張った。